バングラデシュと手をつなぐ会は、
バングラデシュ・カラムディ村のNGO
「ションダニ・ションスタ」と協力して、
村の教育・医療支援を行っています。

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設立趣旨書(2003年)

南アジアに位置するバングラデシュは,独立以来30年余り,人口1億3千万人を抱えていますが,今でも世界の最貧国のひとつです。くり返す洪水,人口の爆発的増加,政治の不安定と富の不平等な分配など要因を挙げるときりがありません。 その中で,人びとの自立を目指す国内・国外のNGOの活動は世界でももっとも活発だといわれています。政府や企業などの社会基盤の脆弱なこの国で,NGOは市民セクターとして大きな役割を果たしています。

バングラデシュと手をつなぐ会は,このバングラデシュ西部の農村出身の留学生と,先の大戦の反省から,世界の平和のため,アジアの貧しい人々のために働きたいと願う一人の女性牧師との出会いで始まりました。出発点は,「かわいそうだから助けてあげる」という気持ちではなく、同じアジア人として学びあい助け合いながら手をつないで生きて行きたい,という思いです。

87年に「バングラデシュに小学校をつくる会」が発足、小学校建設のための募金活動を行い、89年に小学校が完成しました。これにともない発展的に「バングラデシュと手をつなぐ会」として再出発し、その後は就学率向上のための奨学金支援、職業訓練に加え、保健医療にも活動分野を拡大していきました。そして村人の強い要望に応えて、95年には「母子保健センター」を開設するに至りました。その後、現地の医師、看護師を中心として、Community-Based Hospitalとしての地域医療活動を地道に継続しています。

現在では,<教育><保健医療><生活の向上>を柱に,現地NGOションダニ・ションスタと対等なパートナーとして、人びとの自立のための協力活動を行っています。毎年の現地との交流を通して,教育や医療の貧しさ・欠如は単に,そのシステムの不足というにとどまらず,国内の貧富の差,莫大な援助にもかかわらず不公平な配分,さらにはグローバル化による国家間の貧富の差の増大が一層の拍車をかけていることも学んできました。

また,15年間の活動の中から,途上国の人びとの生活が私たち日本人の暮らしと密接に結びついていることも知り,私たちの生活をよりグローバルな視点から見直す重要性も学びました。これまでの任意団体としての15年間の活動を土台として,私たちはより社会的基盤を確かなものとして,今後の事業を展開したいと考え,特定非営利活動法人設立を決意しました。

バングラデシュとの交流・協力活動を継続し,カラムディ村とその周辺の地域で自立を目指す活動を支援し,協力していきます。それらの活動を通して,南北問題を考え,グローバルな視点から私たち日本人の生活を見直し,日本の国としてのあり方をともに考える<開発教育>を行っていきます。このような活動を通して,日本の人びと一人一人が,途上国の人びとの生活を自分のものと考え,ともに歩む社会を作り上げることを目指していきます。

バングラデシュと手をつなぐ会
設立代表者 二ノ坂 保喜